SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE トロコン感想

隻腕の狼、戦国に忍ぶ(忍ばない)

 

まず初めに。ダクソ、ブラボ、隻狼はMHWのシナリオでネルギガンテをソロで倒せたならクリアできるような難易度です。難しいというよりは、難しく見せているだけと言えば分かりやすいかもしれません。ネルギガンテくんも今でこそ新武器試し切りのサンドバッグと化していますが、発売当時はめちゃくちゃ強敵として君臨していました。

それでも「難しすぎて面白くない!」って人も多いだろうから、隻狼のアクションのルールを簡単に説明します。極力ネタバレは省いて書いています。

・ガードは防御ではなく攻撃

・ヒットアンドアウェイではなくヒットアンドヒット

・とはいえ弾くよりも避けた方がダメージを与えることができる時もある。その辺はトライ&エラーで覚える

・『危』のマークを見てから下段or突きに対応するのではなく、『危』のマークが出る前のモーションで判別する事

・他人のアドバイスは話半分に聞く。結局は自分に合ったプレイスタイルでやるのが一番

この辺りを意識するとSEKIROの戦い方ができるようになります。アクションゲームって言うと、どうしても敵の攻撃を避けてから自分が攻撃するといったターン制アクションが多いので、そのような立ち回りになってしまうことが多いかと思いますが、このゲームにおいては相手の攻撃も自分の攻撃もピンチでありチャンスと捉えた方が遊びやすいです。幸い、弾き(ジャストガード)のタイミングも割と甘いですし、見た目以上に簡単なゲームだと思います(あくまで、見た目よりは)。ただジャストガードといっても、敵の攻撃が当たる瞬間にガードボタンを押すのではなく、当たるちょっと前くらいにガードするのが一番良いかと。失敗してもガードボタンを押しておけばそのままガードになりますし。

あと序盤で詰んでるって人は攻略サイトを見るのも一つの手だと思います。何周もしていますが、やっぱり最初の回復アイテムが1つってのは厳しいし、スルー出来ない中ボスとして初めに出てくるのが弾きを楽しめない赤鬼というのもなかなかにいやらしい。回復瓢箪3つはほしかったな。ということで、葦名城本城へ行くまでは攻略サイトに頼るのもいいでしょう。ただし本城のボスは自力で突破しましょう。アイツを倒せたなら、あなたの葦名ライフは素晴らしいものになります。

そしてこのゲーム、高難易度という部分ばかりが注目されていますが、相手の行動パターンもそれほど多くは無く、「この攻撃が来たら次はこの攻撃が来る」「ここで反撃に出れる」というのが段々と分かってくるのでアクションゲームが得意ではない人でもクリアできるバランスだと思います。ちなみに自分はというと、隻狼はカンスト程度なら楽しくサクサクとクリアできますが、直近で発売されたアクションゲームのDMC5では、体験版のボスすら倒せませんでした。

ソウルシリーズと比較するならば、初見の難易度こそシリーズ1難しいと感じましたが、隻狼になれた今だとシリーズ1簡単に感じます。自分は、デモンズダクソはトロコンするまで、ブラボは4週目エミーリアが倒せませんでした。ソウルシリーズはクリアできたのに隻狼は上手く行かないって人は、ソウルシリーズとは別物ってことを意識すると良いかもしれません。

攻略に必要なのは反射神経とリズム感ではなく、観察眼と折れない心です。

 

注意点としては、これはステルスゲーでもオープンワールドゲーでもありません。ステルスは敵を殺すための手段の一つです。天誅はやったことが無いけど、MGSみたいなものを期待して購入すると地獄を見るかと思われます。オープンワールドとか言ってる人はもうちょっといろんなゲームやって勉強しよう。マップこそシームレスに移動できますが、ボスや中ボスを倒さないと自由に移動できるわけではありません。

 

 

 

さて感想を。ここからはネタバレ有りです。

 

・戦闘システム

フロムソフトウェアの死にゲーといえば、デモンズソウル、ダークソウル、ブラッドボーンなどが挙げられます。隻狼は、中でもアクション色の強いブラッドボーンを、より進化させたようなゲームだと感じました。ブラッドボーンのキャッチコピーである死闘感、ヒットアンドアウェイではなく前へ前へと攻めさせるためのリゲインシステムなんかは、隻狼の剣戟、体幹システムで完成したといっても過言ではないくらい。正直、ブラボの戦闘でリゲインを有難いと思えたことがあまりなかったんですよね。そこからガードが攻撃にもなるという発想が出てきて、見栄えのいいチャンバラができるとなると…もう堪らん。これまでは回避して遠くからボーっと眺めていた敵の猛烈な連続攻撃も、突っ込んでいって弾きまくることでこちら側のチャンスとなります。戦闘にあるすべてがピンチにもチャンスにもなり得る良いシステムだと思います。ガード不可能の突きや下段も、慣れれば慣れるほどこちらのチャンスタイムとなり、ラスボスを倒すころには、それまでの強敵たちも手玉に取るように遊べるようになりました。と、いうのもソウルボーン系のボスは、まぐれでも割とクリアできちゃいます。ところが隻狼はそうはいかず、攻め続けて敵の攻撃を見切らないと、ほぼ相手を倒すことはできないのです。この剣戟システムを知ってしまうと、以前のターン制アクションでは物足りなく感じてしまう身体になってしまいました。また時間をおいてやるとターン制の良さってのも見えてくるでしょうし、面白さは変わらないんだけどね。ただターン制アクションの不満点を見事に解消したシステムだと思います。フロムソフトウェアは、俺やこのゲームにハマった人たちを剣戟が無いと満足できない体にしてしまった責任を取って今後もアクションゲームを作り続けてくれ。

 

各種義手忍具もバラエティ豊かで、使い方も人それぞれなのが面白いです。今作は『ダメージが大きい』などといった、数値的な効果よりも、『斧で盾が割れる』『手裏剣で飛んでいる敵が落ちてくる』などといった、視覚的な効果で弱点が表現されていました。獅子猿に槍を考え付いた奴はどんな脳みそしてるんだか。ただ銭つぶてや瑠璃斧など、一部はどこで使えばいいのか分からなかったり、手裏剣と瑠璃手裏剣のように完全上位互換が存在すると、下位互換のものを使わなくなるのはちょっともったいない。

 

・ゲーム部分

本作は所々に鬼仏(ダクソでいう篝火のようなもの)が点在しており、ボスへのリトライはだいぶやりやすくなっています。基本すべてのボスへは鬼仏からノーダメージで行けるように設定されていたのは有難かったです。と、いうのもそれほど死にますっていうフロムからのメッセージだったのか。

鉤縄、ジャンプ、泳ぎが加わったことにより、圧倒的に移動が楽しくなりました。惜しむらくは探索要素の欠如か。数珠玉や瓢箪の種、義手忍具くらいしか、拾って『うれしい!』と思えるものが無かったので、ちょっと残念でした。頑張って鉤縄使って登ってきた先にあるのが陶片とかだとがっくしくる。

 

・シナリオ・キャラクター・世界観

この辺は考察と俺の頭が足りてない部分もあるかと思います。が、ソウルボーンよりもはるかに分かりやすいシナリオや固定キャラクターってのは大正解だと思いました。ボスと対峙したときのテンションの上がり方が段違いです。葦名弦一郎、大忍び梟、エマ、そして剣聖葦名一心との対決は非常に燃えました。やはりある程度因縁があると「よっしゃぶっ倒してやる!」と闘志が湧いてくるもんです。まぁぶっ倒すまでに幾度となくぶっ倒されるわけですが。そして、敵と言えど良いキャラなのがまたグッド。葦名のためになりふり構ってられない弦一郎。一心の後釜ってこともあってか、いっぱいいっぱいな雰囲気が伝わってきて何とも言えませんでした。「俺が葦名を生かす」と言ってたのが、最後には「竜胤が葦名を生かす」ってなったのがちょっと切なかった。モブにすらド外道呼ばわりされ、戦法も卑怯を極めたような梟も、どことなく憎めないキャラでした。おはぎくれるし、酒弱いし、狼を育てるのも少し楽しんでいた様子が見えるのも良かった。葦名一心はというと気前のいいじーちゃんって感じでした。その強さに説得力を持たせるようなあの器のデカさ。かっこいい。剣聖とか言いながら槍から銃から雷まで使いだすのは「おい!」って思いましたが。エマはと言えば、修羅エンド選択時に「やはり、もっとはやく斬っておくべきでした」とか言ってきたので思ってるよりも薄情だったな…と。一応、狼に修羅が見え隠れしているフラグはあったんですけどもね。

ライバルや因縁の相手はもちろん、ヒロインも豊富です。九朗様、エマ殿、変若の御子、鬼庭刑部正孝など、みな揃って分かりやすい正統派のヒロインです。ヤーナムにはエーブリエタースという萌え系ヒロインがいましたが、俺自身啓蒙が高い方では無いので理解できなかった…。

 

今作は和風の世界観ということもあってか、ホラー要素もどことなく和風でした。水生村、犬彦の家の松脂を入手して振り返ると、地面から大量の腕が生えてきたり、村のため池の底に大量の人の死体が埋まっていたり。水生のお凛のイベントなんかは、作左の子孫(子供?)の陣左とお凛が出会えたハッピーエンドとして受け取っている人もちらほら見受けられますが、あれって亡霊となったお凛に呼ばれて陣左もあの世に引っ張っていかれたっていう怪談ですよね…まぁあのまま葦名にいたところであの世へは行ってしまいそうですが。死に際が幸せだったからまだ良かった…のか??とにかく水生村関連のホラーは、俺がビビりってのもあって非常に怖かったです。

ホラー要素だけではなく、フロム独特の和風の良さは他でも見受けられます。破戒僧登場時の謎ポーズ、第2ゲージで出してくる幻影攻撃の美しさ。怨嗟の鬼がとる歌舞伎ポーズ。刀と刀が交わるときに飛び散る火花。巨大注連縄人形。源の宮の美しくも何故か少し恐怖(畏怖?)を感じるあの雰囲気。宮のナメクジ貴族が吹いている横笛の音。桜竜戦。…などなど。発売前に「本作はダイナミックで外連味たっぷり」と言っていましたが、確かにその通りでした。

 

・若干やらかしたなと思ったところ

序盤の難易度です。有名どころではブラッドボーン序盤のボス、ガスコイン神父のトロフィー取得率が6割を切っていたこと。2番目のボスの撃破率が6割以下なんて聞いたことありません(笑)ちょっと前にフリープレイで配信されたこともあり、ガスコイン神父突破率は45%まで下がってました。この辺りの難易度調整は、フロム自信が「反省している」と仰ってました。

そして今作の序盤の難易度といえば、回復アイテムの使用回数1回で、消費回復アイテムは手に入りづらいものになっています。この辺りでげんなりする新規の方も割といるだろうと予想できます。せめて回復アイテムの使用回数は最初から3回程度あっても良かったのではないかと思いました。その他に関してはだいぶん親切になったなぁといった印象。

あとボス配置に関してですが、このゲームは葦名弦一郎がかなりの良ボスとなっており、隻狼の戦闘の基本と楽しさが詰まっています。が、そこに至るまでに赤鬼、火牛といった隻狼というよりもダクソブラボの動きをするボスが並んでいるのがいまいちに感じました。一応鬼刑部も居ますが…もう少し弾きの楽しさを知れるボスを置いても良かったのではないかなと思います。個人的に先生ポジションにふさわしいと思うのは破戒僧です。あの人、こちらが攻撃を喰らったり体幹が崩れたりすると攻撃の手を止めてくれますし、動きも大振りで、尚且つ突きと下段を持っているのでそれに対応することで得られるメリットも知ることができます。1ゲージで体幹を溜まりやすくした破戒僧っぽいボスを城下においておけば、今より投げ出す人も少なかったかなと思います。

 

・果たしてイージーモードは必要か?

いりません。やればやるほど、非常によく練られたバランス調整だと感じます。高難易度アクションでありがちな、数値が高いだけの理不尽さは感じられず、基本的に自分のミスで死にます。と言うか、そもそも難しいのが嫌なら何で隻狼を買ったんでしょうか。あれだけ死にゲーだと言われてたのに。そこが謎です。隻狼にイージーモードを付けるというのは、このゲームの試行錯誤とそれにより得られる達成感という良さを奪う行為だと思います。恐怖を題材にしたバイオハザードに対して「もっと怖くないの作って!」とはならないでしょう?曲がり角を曲がる数歩前に『この先、ゾンビが2体います!心臓の弱い方は注意してください!』なんて言われたら興醒めでしょうに。

世の中にはたくさんゲームがあります。探せば自分に合ったゲームなんて腐るほど見つかるでしょう。怖い思いをしたければバイオハザード。悪魔と踊りたけりゃデビルメイクライ。広大な世界で剣と魔法の物語を楽しみたければウィッチャー。オンラインで強者とバチバチ戦いたいなら格ゲーやFPSなどの対戦系ゲーム。そして困難と達成感を得るための隻狼です。合わないなら買わなきゃいいんです。俺は怖いの嫌いだからバイオは買いません。悪魔と踊ろうにも踊れないのでDMCも買いません。コマンド入力できないんで格ゲーもしませんし。それでいいじゃないですか。イージーつけてまで隻狼をやりたいという人の気が知れない。別に和風アクションなら隻狼以外にも沢山あります。Ghost of Tsushimaとかどうよ。

とは言え、こんな議論が大手ゲームメディアから展開されているんだから恐ろしい。「もうゲームするのやめたら?持ってるコントローラーぶっ壊せよ」って言いたくなります。アホですよアホ。

 

 

・不満点

正直、特にありませんが、強いて言えば壁際のカメラワーク。孤影衆太刀足や獅子猿の投げ、天守閣の壁際などは本当に酷かった。そして画面外に敵が出ると勝手にロックオンが外れるので事故ることもしばしば。位置取りを気を付けることである程度は解消できるとはいえ、強力な攻撃が来ると弾いてもノックバックがあるので、否が応でも壁際に押しやられてしまいます。その状態で回生をすると、何故か明後日の方向を向くカメラ。一応死亡中にロックオンしてから回生することで回避はできますが…何とかしてほしいです。

あと通常PS4だと平田屋敷や天守付近では処理落ちが目立ちます。病み村ほどひどくはないとはいえ、少々気になります。

 

・総評

やればやるほど、死ねば死ぬほど自分の腕の上達(というより相手に対応できるようになってくる)が感じられ、倒した時にはこれまでの死にゲー以上の達成感に襲われます。そして驚くことに理不尽さがほとんどない。死亡原因がはっきりしているからです。基本、相手の攻撃への対処をミスって死にます。なので負けても楽しい。俺が剣聖葦名一心に99回負けても100回目に挑戦できたのはこの辺りが理由です。まさかここまで難しさと面白さと達成感を両立させてくるとは思わなかった。

マップのデザインも良く、葦名という地域を縦横無尽に駆け巡ることができたのは非常に楽しかったです。

ただこのゲーム、ダクソブラボなんかと違い、うっかり勝っちゃうってことがほぼありません。ボスが倒せたときは、相手の動きをほぼ完ぺきに見切れたときです。なので、2週目以降の難易度は激減。いくら敵のステータスが上がろうが、動きが見切れているので歴代のソウルシリーズやブラッドボーンよりも周回の難易度は低いです。アクションゲームでプレイヤーキャラの性能に限界があるってことで、周回時の難易度上昇は相当抑えられてあるのかもしれません。攻め力99、身体力20(両方マックス)にしてしまうと、カンストでもヌルく感じてしまう始末。鐘を鳴らすと敵のHPと体幹が増えてるらしいですが、あまり意識したことはありませんでした。

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カンスト鐘の剣聖葦名一心もチョチョイのチョイですわ。初見ではあんなに苦労したのに(笑)

そのうち苦難の道でも歩いてみようかしら。

 

ともかく、生涯で一番面白いゲームでした。マジで。